断熱・遮熱Low-Eの使い分けについて①

上棟打ち合わせの際に窓も確認してきたんですが、東西南北すべての窓が遮熱Low-Eになっていました。

確か方位で断熱・遮熱を選ぶ必要があったはず…

窓の種類について設計時には言及されてなかったので、ちゃんと確認するべきだったなと後悔したのですが…今回その違いでどのくらい暖房費用が変わってくるのか計算してみました。(><)

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窓の種類の選び方

これって使い分けないといけなかったはずでは?と思いYKKAPのサイトで確認すると、南側の窓は断熱タイプ、それ以外の窓は遮熱タイプを選ぶのが良いようです。

私たちの場合は1Fは夏の日差しを気にしてひさしを取り付けてもらっていますし、2Fは屋根があるので夏の高い日差しは遮られるはずです。

(屋根の軒はあんまり出てませんけどね…)

断熱するなら“魔法瓶そっくり?” のガラス | かしこいガラス選び | YKK AP株式会社
冬のお部屋を保温してくれる高性能なガラスや防犯、防音に適した高性能なガラスなど、お住まいの地域や窓の場所などに合せて使い分けられる窓ガラス選びのポイントをご紹介します。

断熱Low-E、遮熱Low-E窓の仕組み

どうして南側だけ断熱Low-Eという結果になるのかを説明する前にLow-Eサッシの仕組みを説明したいと思います。

Low-Eペアガラスのサッシというのはペアガラスの中空層の部分に金属膜がついたものです。

この金属膜が可視光線は通して赤外線だけを跳ね返します。

赤外線で温めているこたつをイメージしてもらえれば分かると思うのですが、赤外線は熱を持っています。

この赤外線を跳ね返すことで、熱が入らず部屋の室温を保てるっていう仕組みなんですね。

で、この金属膜が外側についているのが遮熱Low-Eになります。

じゃあ、断熱Low-Eはというと中空層の部屋側のガラス面についています。

そうすると可視光線が真ん中の中空層にも入るので、中空層が温まります。

この熱がガラス越しに部屋に伝わるので断熱効果はありつつ、遮熱Low-Eよりも少しだけ熱を取り入れることができるという仕組みです。

なぜ南側だけ断熱Low-Eを使った方がいいの?

YKKAP330の各ガラスの性能はこのようになっています。

サッシの種類日射取得熱還流率
APW330 遮熱タイプ ブルー0.41.2
APW330 断熱タイプ ブルー0.451.2
APW330 断熱タイプ ニュートラル0.621.2
※ガラス3ミリ、中空層16ミリの場合

数値的には遮熱Low-Eも断熱Low-Eも熱還流率は一緒で日射取得が違っています。

西日がきつい西が遮熱Low-E、冬に日差しを取り入れる必要がある南側が断熱Low-Eなのは明白かなと思います。

日射取得に関して、取り入れる日差しがないことには中空層は温まりません。

北と東に関しては取り入れるべき日差しが少ないので、夏の日射遮蔽を優先して遮熱Low-Eを使うのだと思います。

断熱・遮熱の違いはどのくらいあるの?

さきほどのAPW330の表を見て、勘のいい方はお気づきになったかもしれませんが…

サッシの種類日射取得熱還流率
APW330 遮熱タイプ ブルー0.41.2
APW330 断熱タイプ ブルー0.451.2
APW330 断熱タイプ ニュートラル0.621.2
※ガラス3ミリ、中空層16ミリの場合

ブルーの断熱タイプだと遮熱タイプの窓とほとんど性能が変わりません!!!!!

1割程度ですね。

ニュートラルというのはガラスの色が透明な物になります。

APW330の遮熱Low-Eにニュートラルタイプはありませんので、もし採用すると家の方位でガラスの色が変わってしまいます。

たぶん金属膜が光を透過しやすいものになってるので、透明だと遮熱できなくなっちゃうんでしょうね。

ただAPW430のカタログを見ると断熱タイプはニュートラルしか存在せず、遮熱タイプにニュートラルタイプが存在していました。

サッシの種類日射取得熱還流率
APW430 遮熱タイプ ニュートラル0.470.61
APW430 遮熱タイプ ブルー0.30.59
APW430 断熱タイプ ニュートラル0.570.91
※ガラス3ミリ、中空層16ミリ、FIX窓の場合

また断熱タイプの熱還流率が大きく下がるので、わざわざ分けずに遮熱タイプを使用した方がよい気がします。

トリプルサッシの遮熱タイプだと金属膜が2枚付くのに対し、断熱ガラスだと金属膜が1枚に減ってしまうため熱還流率の性能が下がっているのでしょうね。

このあたりは採用される窓ガラスにもよるので、建てる際の窓ガラスのカタログを参照されることをおすすめします。

断熱・遮熱の違いで暖房効率はどのくらい変わるの?

では、こちらのサイトを参考に、日射熱を差し引いた必要な暖房能力がどのくらい変わるのかを計算してみたいと思います。

冬に日射熱でオーバーヒートしないかチェックする方法
高断熱住宅では住宅内外の熱移動が少ないため、侵入する日射熱が室内環境に大きな影響を与えます。日射熱は、冷房期はなるべく入らないようにし、暖房期には取り入れるようにすることが重要で、季節ごと、方位ごとに考える必要があります。これについては書籍

南面の日射取得

では南面の日射取得を計算してみましょう。

これは冬至の一番日射が一番強い時間の日射量のようです。

うちは南面の窓が大きくて11㎡もあるので日射取得大きいんですよね(><)

遮熱タイプ ブルー600W×11㎡×0.4=2.64kW
断熱タイプ ブルー600W×11㎡×0.45=2.97kW
断熱タイプ ニュートラル600W×11㎡×0.62=4.09kW

必要な暖房能力(家の熱損失)

次に必要な暖房能力(家の熱損失)について計算します。

うちの家はまだUA値教えてもらえていない、C値の計測がまだなので、HEAT20のG1のUA値0.56(Q値1.9)、C値は1とします。

みさ
みさ

そのくらいはあると信じたい…

静岡の冬の晴天時の温度は7℃としています。

室温22℃3.60kW
室温23℃3.84kW
室温24℃4.08kW

これをみるとわずかではありますが断熱ブルーを南面に採用するのが最も暖房効率がよくなることがわかります。

断熱ニュートラルタイプにすると室温24℃に保った場合と同じ熱量になりますので、それでもよいのかもしれませんがデータが冬至であることや外壁や南面以外への日射を考えるとオーバーヒートが怖いですね。

熱欠損については平均温度でデータを出しているので、一番暖かい時間帯には局所的に暑すぎるといった事態が発生してしまいそうな気がします…

断熱Low-Eと遮熱Low-Eの暖房費用の差額

断熱Low-Eと遮熱Low-Eの日射取得の差は0.33kWです。

今のエアコンの場合一番安いタイプでもエネルギー効率が5はあるので5とします。
省エネ性能が高いエアコンであれば、さらに安くなると思います。
あまり古いエアコンだと逆に高くなります。

日照時間は8時間とします。
日射量がピーク時の600Wで計算しているので実際はもっと安くなります。

電気料金21円/1kW×0.33kW÷5(エネルギー効率)×8時間=約11円/1日当たり

暖房を使うのは11月中旬~3月中旬の4ヶ月程度として1年分の電気代も出してみましょう。

11×30日×4ヶ月分=1,320円

夏の冷房費に関してもこちらの記事で改めて計算してみたところ、断熱サッシのほうが288円冷房費が高くなるようです。

1,320円-288円=1,032円

みさ
みさ

これならほとんど変わらない…!

南面の窓ガラス大き目のうちでもこんなものなので、全部遮熱ガラスになってしまった場合でも、そんなに気にするほどではないかなと思います。

まとめ

実はこのことを調べ切る前の段階で断熱と遮熱のガラスの使い分けが出来てないよっていう話を既にしてしまってて、南面のサッシは取り替えてもらえることになりました。

交換してもらえない心構えはできてたんですが…(;ω;)

でもまあ多少でも性能が適したものになるのでよかったかな…!

ただ、暖房費用の差額についてはトリプルサッシの場合は断熱サッシの熱還流率が大きく劣っていて、使うサッシによって条件が大きく変わると感じたので、まずは利用するサッシの性能を確認してみることをおすすめします。

すべて断熱サッシだった場合の冷房費もこちらの記事で計算してみました↓

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